第二章 訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売

第一節 定義

(定義)
第二条  この章において「訪問販売」とは、次に掲げるものをいう。
一  販売業者又は役務の提供の事業を営む者(以下「役務提供事業者」という。)が営業所、代理店その他の経済産業省令で定める場所(以下「営業所等」という。)以外の場所において、売買契約の申込みを受け、若しくは売買契約を締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は役務を有償で提供する契約(以下「役務提供契約」という。)の申込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して行う指定役務の提供
二  販売業者又は役務提供事業者が、営業所等において、営業所等以外の場所において呼び止めて営業所等に同行させた者その他政令で定める方法により誘引した者(以下「特定顧客」という。)から売買契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と売買契約を締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は特定顧客から役務提供契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と役務提供契約を締結して行う指定役務の提供
2  この章において「通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の経済産業省令で定める方法(以下「郵便等」という。)により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う指定商品若しくは指定権利の販売又は指定役務の提供であつて電話勧誘販売に該当しないものをいう。
3  この章において「電話勧誘販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が、電話をかけ又は政令で定める方法により電話をかけさせ、その電話において行う売買契約又は役務提供契約の締結についての勧誘(以下「電話勧誘行為」という。)により、その相手方(以下「電話勧誘顧客」という。)から当該売買契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該売買契約を郵便等により締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は電話勧誘顧客から当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該役務提供契約を郵便等により締結して行う指定役務の提供をいう。
4  この章及び第六十七条第一項において「指定商品」とは、国民の日常生活に係る取引において販売される物品であつて政令で定めるものをいい、「指定権利」とは、施設を利用し又は役務の提供を受ける権利のうち国民の日常生活に係る取引において販売されるものであつて政令で定めるものをいい、「指定役務」とは、国民の日常生活に係る取引において有償で提供される役務であつて政令で定めるものをいう。

第二節 訪問販売

(訪問販売における氏名等の明示)
第三条  販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品若しくは権利又は役務の種類を明らかにしなければならない。

(訪問販売における書面の交付)
第四条  販売業者又は役務提供事業者は、営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは指定役務につき役務提供契約の申込みを受けたとき又は営業所等において特定顧客から指定商品若しくは指定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは指定役務につき役務提供契約の申込みを受けたときは、直ちに、経済産業省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
一  商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
二  商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三  商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四  第九条第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
五  前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項

第五条  販売業者又は役務提供事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、次項に規定する場合を除き、遅滞なく(前条ただし書に規定する場合に該当するときは、直ちに)、経済産業省令で定めるところにより、同条各号の事項(同条第四号の事項については、売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項に限る。)についてその売買契約又は役務提供契約の内容を明らかにする書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一  営業所等以外の場所において、指定商品若しくは指定権利につき売買契約を締結したとき又は指定役務につき役務提供契約を締結したとき(営業所等において特定顧客以外の顧客から申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結したときを除く。)。
二  営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、営業所等においてその売買契約又は役務提供契約を締結したとき。
三  営業所等において、特定顧客と指定商品若しくは指定権利につき売買契約を締結したとき又は指定役務につき役務提供契約を締結したとき。
2  販売業者又は役務提供事業者は、前項各号のいずれかに該当する場合において、その売買契約又は役務提供契約を締結した際に、指定商品を引き渡し、若しくは指定権利を移転し、又は指定役務を提供し、かつ、指定商品若しくは指定権利の代金又は指定役務の対価の全部を受領したときは、直ちに、経済産業省令で定めるところにより、前条第一号の事項及び同条第四号の事項のうち売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項その他経済産業省令で定める事項を記載した書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。

(禁止行為)
第六条  販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
一  商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
二  商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
三  商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
四  商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
五  当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みの撤回又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約の解除に関する事項(第九条第一項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
六  顧客が当該売買契約又は当該役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項
七  前各号に掲げるもののほか、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2  販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第五号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
3  販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
4  販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所等以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。

(合理的な根拠を示す資料の提出)
第六条の二  主務大臣は、前条第一項第一号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該販売業者又は当該役務提供事業者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者が当該資料を提出しないときは、次条及び第八条第一項の規定の適用については、当該販売業者又は当該役務提供事業者は、同号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。

(指示)
第七条  主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が第三条から第六条までの規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、訪問販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一  訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約に基づく債務又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二  訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの(第六条第一項第一号から第五号までに掲げるものを除く。)につき、故意に事実を告げないこと。
三  前二号に掲げるもののほか、訪問販売に関する行為であつて、訪問販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益を害するおそれがあるものとして経済産業省令で定めるもの。

(業務の停止等)
第八条  主務大臣は、販売業者若しくは役務提供事業者が第三条から第六条までの規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合において訪問販売に係る取引の公正及び購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条の規定による指示に従わないときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、一年以内の期間を限り、訪問販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2  主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。

(訪問販売における契約の申込みの撤回等)
第九条  販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において指定商品(その販売条件についての交渉が販売業者と購入者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品として政令で定める指定商品を除く。以下この項において同じ。)若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客から指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合(営業所等において申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結した場合を除く。)若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客と指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条及び次条において「申込者等」という。)は、次に掲げる場合を除き、書面によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。
一  申込者等が第五条の書面を受領した日(その日前に第四条の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過したとき。ただし、申込者等が、販売業者若しくは役務提供事業者が第六条第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該販売業者又は当該役務提供事業者が経済産業省令で定めるところにより当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき。
二  申込者等が第四条又は第五条の書面を受領した場合において、指定商品でその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該販売業者が当該申込者等に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)。
三  第五条第二項に規定する場合において、当該売買契約に係る指定商品若しくは指定権利の代金又は当該役務提供契約に係る指定役務の対価の総額が政令で定める金額に満たないとき。
2  申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面を発した時に、その効力を生ずる。
3  申込みの撤回等があつた場合においては、販売業者又は役務提供事業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
4  申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担とする。
5  役務提供事業者又は指定権利の販売業者は、役務提供契約又は指定権利の売買契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該役務提供契約に基づき役務が提供され又は当該権利の行使により施設が利用され若しくは役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭又は当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭の支払を請求することができない。
6  役務提供事業者は、役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合において、当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
7  役務提供契約又は指定権利の売買契約の申込者等は、その役務提供契約又は売買契約につき申込みの撤回等を行つた場合において、当該役務提供契約又は当該指定権利に係る役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者又は当該指定権利の販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。
8  前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。

(訪問販売における契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第九条の二  申込者等は、販売業者又は役務提供事業者が訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一  第六条第一項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二  第六条第二項の規定に違反して故意に事実を告げない行為 当該事実が存在しないとの誤認
2  前項の規定による訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しは、これをもつて善意の第三者に対抗することができない。
3  第一項の規定は、同項に規定する訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示に対する民法 (明治二十九年法律第八十九号)第九十六条 の規定の適用を妨げるものと解してはならない。
4  第一項の規定による取消権は、追認をすることができる時から六月間行わないときは、時効によつて消滅する。当該売買契約又は当該役務提供契約の締結の時から五年を経過したときも、同様とする。

(訪問販売における契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限)
第十条  販売業者又は役務提供事業者は、第五条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約又はその役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
一  当該商品又は当該権利が返還された場合 当該商品の通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額(当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額から当該商品又は当該権利の返還された時における価額を控除した額が通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額を超えるときは、その額)
二  当該商品又は当該権利が返還されない場合 当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額
三  当該役務提供契約の解除が当該役務の提供の開始後である場合 提供された当該役務の対価に相当する額
四  当該契約の解除が当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
2  販売業者又は役務提供事業者は、第五条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約についての代金又はその役務提供契約についての対価の全部又は一部の支払の義務が履行されない場合(売買契約又は役務提供契約が解除された場合を除く。)には、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、当該商品若しくは当該権利の販売価格又は当該役務の対価に相当する額から既に支払われた当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の額を控除した額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。

   

第三節 通信販売

(通信販売についての広告)
第十一条  販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について広告をするときは、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、当該商品若しくは当該権利又は当該役務に関する次の事項を表示しなければならない。ただし、当該広告に、請求により、これらの事項を記載した書面を遅滞なく交付し、又はこれらの事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を遅滞なく提供する旨の表示をする場合には、販売業者又は役務提供事業者は、経済産業省令で定めるところにより、これらの事項の一部を表示しないことができる。
一  商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)
二  商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三  商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四  商品の引渡し又は権利の移転後におけるその引取り又は返還についての特約に関する事項(その特約がない場合には、その旨)
五  前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項

(誇大広告等の禁止)
第十二条  販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について広告をするときは、当該商品の性能又は当該権利若しくは当該役務の内容、当該商品の引渡し又は当該権利の移転後におけるその引取り又はその返還についての特約その他の経済産業省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

(合理的な根拠を示す資料の提出)第十二条の二  主務大臣は、前条に規定する表示に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした販売業者又は役務提供事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者が当該資料を提出しないときは、第十四条第一項及び第十五条第一項の規定の適用については、当該表示は、前条に規定する表示に該当するものとみなす。

(承諾をしていない者に対する電子メール広告の提供の禁止等)
第十二条の三  販売業者又は役務提供事業者は、次に掲げる場合を除き、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について、その相手方となる者の承諾を得ないで電子メール広告(当該広告に係る通信文その他の情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて経済産業省令で定めるものをいう。以下同じ。)により送信し、これを当該広告の相手方の使用に係る電子計算機の映像面に表示されるようにする方法により行う広告をいう。以下同じ。)をしてはならない。
一  相手方となる者の請求に基づき、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件に係る電子メール広告(以下この節において「通信販売電子メール広告」という。)をするとき。
二  当該販売業者の販売する指定商品若しくは指定権利若しくは当該役務提供事業者の提供する指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みをした者又はこれらにつき売買契約若しくは役務提供契約を締結した者に対し、経済産業省令で定める方法により当該申込み若しくは当該契約の内容又は当該契約の履行に関する事項を通知する場合において、経済産業省令で定めるところにより通信販売電子メール広告をするとき。
三  前二号に掲げるもののほか、通常通信販売電子メール広告の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる場合として経済産業省令で定める場合において、通信販売電子メール広告をするとき。
2  前項に規定する承諾を得、又は同項第一号に規定する請求を受けた販売業者又は役務提供事業者は、当該通信販売電子メール広告の相手方から通信販売電子メール広告の提供を受けない旨の意思の表示を受けたときは、当該相手方に対し、通信販売電子メール広告をしてはならない。ただし、当該表示を受けた後に再び通信販売電子メール広告をすることにつき当該相手方から請求を受け、又は当該相手方の承諾を得た場合には、この限りでない。
3  販売業者又は役務提供事業者は、通信販売電子メール広告をするときは、第一項第二号又は第三号に掲げる場合を除き、当該通信販売電子メール広告をすることにつきその相手方の承諾を得、又はその相手方から請求を受けたことの記録として経済産業省令で定めるものを作成し、経済産業省令で定めるところによりこれを保存しなければならない。
4  販売業者又は役務提供事業者は、通信販売電子メール広告をするときは、第一項第二号又は第三号に掲げる場合を除き、当該通信販売電子メール広告に、第十一条各号に掲げる事項のほか、経済産業省令で定めるところにより、その相手方が通信販売電子メール広告の提供を受けない旨の意思を表示するために必要な事項として経済産業省令で定めるものを表示しなければならない。
5  前二項の規定は、販売業者又は役務提供事業者が他の者に次に掲げる業務のすべてにつき一括して委託しているときは、その委託に係る通信販売電子メール広告については、適用しない。
一  通信販売電子メール広告をすることにつきその相手方の承諾を得、又はその相手方から請求を受ける業務
二  第三項に規定する記録を作成し、及び保存する業務
三  前項に規定する通信販売電子メール広告の提供を受けない旨の意思を表示するために必要な事項を表示する業務

第十二条の四  販売業者又は役務提供事業者から前条第五項各号に掲げる業務のすべてにつき一括して委託を受けた者(以下この節並びに第六十六条第四項及び第六項において「通信販売電子メール広告受託事業者」という。)は、次に掲げる場合を除き、当該業務を委託した販売業者又は役務提供事業者(以下この節において「通信販売電子メール広告委託者」という。)が通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について、その相手方となる者の承諾を得ないで通信販売電子メール広告をしてはならない。
一  相手方となる者の請求に基づき、通信販売電子メール広告委託者に係る通信販売電子メール広告をするとき。
二  前号に掲げるもののほか、通常通信販売電子メール広告委託者に係る通信販売電子メール広告の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる場合として経済産業省令で定める場合において、通信販売電子メール広告委託者に係る通信販売電子メール広告をするとき。
2  前条第二項から第四項までの規定は、通信販売電子メール広告受託事業者による通信販売電子メール広告委託者に係る通信販売電子メール広告について準用する。この場合において、同条第三項及び第四項中「第一項第二号又は第三号」とあるのは、「次条第一項第二号」と読み替えるものとする。

(通信販売における承諾等の通知)
第十三条  販売業者又は役務提供事業者は、指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みをした者から当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供に先立つて当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領することとする通信販売をする場合において、郵便等により当該商品若しくは当該権利又は当該役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、かつ、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領したときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、その申込みを承諾する旨又は承諾しない旨(その受領前にその申込みを承諾する旨又は承諾しない旨をその申込みをした者に通知している場合には、その旨)その他の経済産業省令で定める事項をその者に書面により通知しなければならない。ただし、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領した後遅滞なく当該商品を送付し、若しくは当該権利を移転し、又は当該役務を提供したときは、この限りでない。
2  販売業者又は役務提供事業者は、前項本文の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、当該申込みをした者の承諾を得て、当該通知すべき事項を電磁的方法その他の経済産業省令で定める方法により提供することができる。この場合において、当該販売業者又は役務提供事業者は、当該書面による通知をしたものとみなす。

(指示)
第十四条  主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が第十一条、第十二条、第十二条の三(第五項を除く。)若しくは前条第一項の規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、通信販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一  顧客の意に反して通信販売に係る売買契約又は役務提供契約の申込みをさせようとする行為として経済産業省令で定めるもの
二  前号に掲げるもののほか、通信販売に関する行為であつて、通信販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益を害するおそれがあるものとして経済産業省令で定めるもの
2  経済産業大臣は、通信販売電子メール広告受託事業者が第十二条の四第一項若しくは同条第二項において準用する第十二条の三第二項から第四項までの規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、通信販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その通信販売電子メール広告受託事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一  顧客の意に反して通信販売電子メール広告委託者に対する通信販売に係る売買契約又は役務提供契約の申込みをさせようとする行為として経済産業省令で定めるもの
二  前号に掲げるもののほか、通信販売に関する行為であつて、通信販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益を害するおそれがあるものとして経済産業省令で定めるもの

(業務の停止等)
第十五条  主務大臣は、販売業者若しくは役務提供事業者が第十一条、第十二条、第十二条の三(第五項を除く。)若しくは第十三条第一項の規定に違反し若しくは前条第一項各号に掲げる行為をした場合において通信販売に係る取引の公正及び購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同項の規定による指示に従わないときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、一年以内の期間を限り、通信販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2  経済産業大臣は、通信販売電子メール広告受託事業者が第十二条の四第一項若しくは同条第二項において準用する第十二条の三第二項から第四項までの規定に違反し若しくは前条第二項各号に掲げる行為をした場合において通信販売に係る取引の公正及び購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は通信販売電子メール広告受託事業者が同項の規定による指示に従わないときは、その通信販売電子メール広告受託事業者に対し、一年以内の期間を限り、通信販売電子メール広告に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
3  主務大臣は、第一項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
4  経済産業大臣は、第二項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。

第四節 電話勧誘販売

(電話勧誘販売における氏名等の明示)
第十六条  販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称及びその勧誘を行う者の氏名並びに商品若しくは権利又は役務の種類並びにその電話が売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げなければならない。

(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止)
第十七条  販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。

(電話勧誘販売における書面の交付)
第十八条  販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘行為により、電話勧誘顧客から指定商品若しくは指定権利につき当該売買契約の申込みを郵便等により受け、又は指定役務につき当該役務提供契約の申込みを郵便等により受けたときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
一  商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
二  商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三  商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四  第二十四条第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
五  前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項

第十九条  販売業者又は役務提供事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、次項に規定する場合を除き、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、前条各号の事項(同条第四号の事項については、売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項に限る。)についてその売買契約又は役務提供契約の内容を明らかにする書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一  電話勧誘行為により、電話勧誘顧客と指定商品若しくは指定権利につき当該売買契約を郵便等により締結したとき又は指定役務につき当該役務提供契約を郵便等により締結したとき。
二  電話勧誘行為により電話勧誘顧客から指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け、その売買契約又は役務提供契約を締結したとき。
2  販売業者又は役務提供事業者は、前項第二号に該当する場合において、その売買契約又は役務提供契約を締結した際に、指定商品を引き渡し、若しくは指定権利を移転し、又は指定役務を提供し、かつ、指定商品若しくは指定権利の代金又は指定役務の対価の全部を受領したときは、直ちに、経済産業省令で定めるところにより、前条第一号の事項及び同条第四号の事項のうち売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項その他経済産業省令で定める事項を記載した書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。

(電話勧誘販売における承諾等の通知)
第二十条  販売業者又は役務提供事業者は、指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みをした者から当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供に先立つて当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領することとする電話勧誘販売をする場合において、郵便等により当該商品若しくは当該権利又は当該役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、かつ、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領したときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、その申込みを承諾する旨又は承諾しない旨(その受領前にその申込みを承諾する旨又は承諾しない旨をその申込みをした者に通知している場合には、その旨)その他の経済産業省令で定める事項をその者に書面により通知しなければならない。ただし、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領した後遅滞なく当該商品を送付し、若しくは当該権利を移転し、又は当該役務を提供したときは、この限りでない。

(禁止行為)
第二十一条  販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
一  商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
二  商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
三  商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
四  商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
五  当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みの撤回又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約の解除に関する事項(第二十四条第一項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
六  電話勧誘顧客が当該売買契約又は当該役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項
七  前各号に掲げるもののほか、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、電話勧誘顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2  販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第五号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
3  販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。

(合理的な根拠を示す資料の提出)
第二十一条の二  主務大臣は、前条第一項第一号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該販売業者又は当該役務提供事業者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者が当該資料を提出しないときは、次条及び第二十三条第一項の規定の適用については、当該販売業者又は当該役務提供事業者は、同号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。

(指示)
第二十二条  主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が第十六条から第二十一条までの規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、電話勧誘販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一  電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約に基づく債務又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二  電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、電話勧誘顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの(第二十一条第一項第一号から第五号までに掲げるものを除く。)につき、故意に事実を告げないこと。
三  前二号に掲げるもののほか、電話勧誘販売に関する行為であつて、電話勧誘販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益を害するおそれがあるものとして経済産業省令で定めるもの。

(業務の停止等)
第二十三条  主務大臣は、販売業者若しくは役務提供事業者が第十六条から第二十一条までの規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合において電話勧誘販売に係る取引の公正及び購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条の規定による指示に従わないときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、一年以内の期間を限り、電話勧誘販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2  主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。

(電話勧誘販売における契約の申込みの撤回等)
第二十四条  販売業者若しくは役務提供事業者が電話勧誘行為により電話勧誘顧客から指定商品(その販売条件についての交渉が販売業者と購入者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品として政令で定める指定商品を除く。以下この項において同じ。)若しくは指定権利若しくは指定役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みを郵便等により受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が電話勧誘行為により電話勧誘顧客と指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約を郵便等により締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条及び次条において「申込者等」という。)は、次に掲げる場合を除き、書面によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。
一  申込者等が第十九条の書面を受領した日(その日前に第十八条の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過したとき。ただし、申込者等が、販売業者若しくは役務提供事業者が第二十一条第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該販売業者又は当該役務提供事業者が経済産業省令で定めるところにより当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき。
二  申込者等が第十八条又は第十九条の書面を受領した場合において、指定商品でその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該販売業者が当該申込者等に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)。
三  第十九条第二項に規定する場合において、当該売買に係る指定商品若しくは指定権利の代金又は当該役務提供契約に係る指定役務の対価の総額が政令で定める金額に満たないとき。
2  申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面を発した時に、その効力を生ずる。
3  申込みの撤回等があつた場合においては、販売業者又は役務提供事業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
4  申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担とする。
5  役務提供事業者又は指定権利の販売業者は、役務提供契約又は指定権利の売買契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該役務提供契約に基づき役務が提供され又は当該権利の行使により施設が利用され若しくは役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭又は当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭の支払を請求することができない。
6  役務提供事業者は、役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合において、当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
7  役務提供契約又は指定権利の売買契約の申込者等は、その役務提供契約又は売買契約につき申込みの撤回等を行つた場合において、当該役務提供契約又は当該指定権利に係る役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者又は当該指定権利の販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。
8  前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。

(電話勧誘販売における契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第二十四条の二  申込者等は、販売業者又は役務提供事業者が電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一  第二十一条第一項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二  第二十一条第二項の規定に違反して故意に事実を告げない行為 当該事実が存在しないとの誤認
2  第九条の二第二項から第四項までの規定は、前項の規定による電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しについて準用する。

(電話勧誘販売における契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限)
第二十五条  販売業者又は役務提供事業者は、第十九条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約又はその役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
一  当該商品又は当該権利が返還された場合 当該商品の通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額(当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額から当該商品又は当該権利の返還された時における価額を控除した額が通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額を超えるときは、その額)
二  当該商品又は当該権利が返還されない場合 当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額
三  当該役務提供契約の解除が当該役務の提供の開始後である場合 提供された当該役務の対価に相当する額
四  当該契約の解除が当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
2  販売業者又は役務提供事業者は、第十九条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約についての代金又はその役務提供契約についての対価の全部又は一部の支払の義務が履行されない場合(売買契約又は役務提供契約が解除された場合を除く。)には、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、当該商品若しくは当該権利の販売価格又は当該役務の対価に相当する額から既に支払われた当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の額を控除した額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。

第五節 雑則

(適用除外)
第二十六条  前三節の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
一  売買契約又は役務提供契約で、その申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る販売又は役務の提供
二  本邦外に在る者に対する商品若しくは権利の販売又は役務の提供
三  国又は地方公共団体が行う販売又は役務の提供
四  次の団体がその直接又は間接の構成員に対して行う販売又は役務の提供(その団体が構成員以外の者にその事業又は施設を利用させることができる場合には、これらの者に対して行う販売又は役務の提供を含む。)
イ 特別の法律に基づいて設立された組合並びにその連合会及び中央会
ロ 国家公務員法 (昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二 又は地方公務員法 (昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十二条 の団体
ハ 労働組合
五  事業者がその従業者に対して行う販売又は役務の提供
2  第四条から第十条までの規定は、次の訪問販売については、適用しない。
一  その住居において売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することを請求した者に対して行う訪問販売
二  販売業者又は役務提供事業者がその営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受け又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することが通例であり、かつ、通常購入者又は役務の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる取引の態様で政令で定めるものに該当する訪問販売
3  第十八条、第十九条及び第二十一条から前条までの規定は、次の電話勧誘販売については、適用しない。
一  売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結するために電話をかけることを請求した者(電話勧誘行為又は政令で定める行為によりこれを請求した者を除く。)に対して行う電話勧誘販売
二  販売業者又は役務提供事業者が電話勧誘行為により指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約を郵便等により締結することが通例であり、かつ、通常購入者又は役務の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる取引の態様で政令で定めるものに該当する電話勧誘販売
4  第十条及び前条の規定は、割賦販売(割賦販売法 (昭和三十六年法律第百五十九号)第二条第一項 に規定する割賦販売をいう。以下同じ。)で訪問販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
5  第十一条及び第十三条の規定は、割賦販売等(割賦販売、割賦販売法第二条第二項 に規定するローン提携販売又は同条第三項 に規定する割賦購入あつせんに係る販売をいう。次項において同じ。)で通信販売に該当するものについては、適用しない。
6  第二十条の規定は、割賦販売等で電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。

(訪問販売協会)
第二十七条  その名称中に訪問販売協会という文字を用いる一般社団法人は、訪問販売に係る取引を公正にし、並びに購入者及び役務の提供を受ける者の利益を保護するとともに、訪問販売の事業の健全な発展に資することを目的とし、かつ、訪問販売を業として営む者を社員とする旨の定款の定めがあるものに限り、設立することができる。
2  前項に規定する定款の定めは、これを変更することができない。

(成立の届出)
第二十七条の二  前条第一項の一般社団法人(以下「訪問販売協会」という。)は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2  経済産業大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

(変更の届出)
第二十七条の三  訪問販売協会は、その名称、住所その他の経済産業省令で定める事項について変更があつたときは、当該変更の日から二週間以内に、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2  前条第二項の規定は、前項の規定による届出について準用する。

(名称の使用制限)
第二十八条  訪問販売協会でない者は、その名称中に訪問販売協会という文字を用いてはならない。
2  訪問販売協会に加入していない者は、その名称中に訪問販売協会会員という文字を用いてはならない。

(苦情の解決)
第二十九条  訪問販売協会は、購入者又は役務の提供を受ける者等から会員の営む訪問販売の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該会員に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2  訪問販売協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該会員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3  会員は、訪問販売協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4  訪問販売協会は、第一項の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について会員に周知させなければならない。

(訪問販売協会の業務の監督)
第二十九条の二  訪問販売協会の業務は、経済産業大臣の監督に属する。
2  経済産業大臣は、前条の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、いつでも、当該業務及び訪問販売協会の財産の状況を検査し、又は訪問販売協会に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
3  経済産業大臣は、前項の命令をした場合において、購入者又は役務の提供を受ける者の利益を保護するため特に必要があると認めるときは、当該命令をした旨を公表することができる。

(通信販売協会)
第三十条  その名称中に通信販売協会という文字を用いる一般社団法人は、通信販売に係る取引を公正にし、並びに購入者及び役務の提供を受ける者の利益を保護するとともに、通信販売の事業の健全な発展に資することを目的とし、かつ、通信販売を業として営む者を社員とする旨の定款の定めがあるものに限り、設立することができる。
2  前項に規定する定款の定めは、これを変更することができない。

(成立の届出)
第三十条の二  前条第一項の一般社団法人(以下「通信販売協会」という。)は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2  経済産業大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

(変更の届出)
第三十条の三  通信販売協会は、その名称、住所その他の経済産業省令で定める事項について変更があつたときは、当該変更の日から二週間以内に、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2  前条第二項の規定は、前項の規定による届出について準用する。

(名称の使用制限)
第三十一条  通信販売協会でない者は、その名称中に通信販売協会という文字を用いてはならない。
2  通信販売協会に加入していない者は、その名称中に通信販売協会会員という文字を用いてはならない。

(苦情の解決)
第三十二条  通信販売協会は、購入者又は役務の提供を受ける者等から会員の営む通信販売の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該会員に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2  通信販売協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該会員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3  会員は、通信販売協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4  通信販売協会は、第一項の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について会員に周知させなければならない。

(通信販売協会の業務の監督)
第三十二条の二  通信販売協会の業務は、経済産業大臣の監督に属する。
2  経済産業大臣は、前条の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、いつでも、当該業務及び通信販売協会の財産の状況を検査し、又は通信販売協会に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
3  経済産業大臣は、前項の命令をした場合において、購入者又は役務の提供を受ける者の利益を保護するため特に必要があると認めるときは、当該命令をした旨を公表することができる。

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